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こんばんは。管理人のジョーです。
明日は島根県代表の開星の甲子園大会の2回戦です。対戦相手は2010年の第92回大会で歴史に残る激戦となった仙台育英。この記事では両チームの特徴や試合の見所をご紹介します。
【甲子園:8強まで組み合わせ】

甲子園:8強まで組み合わせ
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【試合の見所】
仙台育英 対 開 星
開 星
【1回戦の勝ち上がり】
開星は宮崎商業を延長10回タイブレークの末に下した。2回裏に1死満塁から松浦が中犠飛を放ち先制。更に小村の適時打も飛び出し3点を奪った。しかし、4回に宮崎商業に同点に追いつかれる。それでも開星は7回裏に松本七の適時打で勝ち越すと、8回にも代打、三島の適時打で2点リードをした。5回からリリーフし好投する持田だったが、宮崎商業が土壇場の9回に県大会同様の粘り強さを見せ同点に追いつきタイブレークに突入。持田が10回表の宮崎商業を無失点に抑えると、裏に敵失で満塁とし途中出場の前田が中犠飛を放ちサヨナラで勝利した。


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仙台育英
宮城県大会では大会序盤から中盤に強豪校と対戦した。3回戦では2021年選抜出場経験のある柴田と対戦。140km/h後半の速球を投げる右腕、阿部に対し投手戦となるが4回に内野安打と四球で無死1・2塁から川尻の適時二塁打で挙げた2点を守りきった。準々決勝では東北と対戦。3回に敵失から先制するも逆転を許す。それでも7回に和賀、川尻、土屋の3連打で同点に追いつくと、高田が継投直後の投手から決勝打となる適時打を放った。準決勝、決勝戦は大差の試合を制した。
甲子園では1回戦で鳥取城北と対戦。右変則の好投手、田中を中盤に攻略。4回に3連打で先制点を挙げると、1死2・3塁とし砂のスクイズや3連打で一挙4点を奪った。投げてはエースの吉川が相手打線を完封し上々の滑り出しとなった。後攻時よりも先攻の時に苦しんでいる。それでも6試合全てで先制点を奪っていて逆転する粘り強さが見られる。




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投手陣では宮城県大会では5人の投手が登板した。例年通り複数の投手を継投することが多いがエースの吉川は完投する試合が目立つ。
エースの吉川は左上から140km/h中盤の速球と切れ味鋭い120km/h台後半のカットボールが最大の武器だ。鳥取城北打線はカットボールに対して全く対応できなかった。加えて110km/h台後半のチェンジアップやスライダーも投げることができる。右打者のインコースへのカットボール・直球の出し入れが良い。攻略は難しいが、高低に外れることが多いので低めの球は捨てて、打てる球を打っていきたい。
宮城県大会ではチーム2番目のイニングを投げたのが梶井だ。右上から130km/h中盤の直球と、120km/h前半と110km/h中盤のスライダーが武器だ。スライダーを引っ掛ける形になると術中に嵌まっている状況と言える。120km/hのフォーク、100km/h台のカーブもあり変化球が良い。直球の制球にやや不安があるように見え、右打者の内角高めに抜けることが多く、死球が怖いのか右打者よりも左打者に対しての方がスピードが速い。甘い幅へ右打者の内から入ってくるスライダーをセンターへ打ち返したい。また、右打者は打席で捕手よりに詰めて立つことも有効な手段だと考えている。スライダー、フォークと変化球は制球が良いので目線は上げて対応したい。
井須はチーム唯一の左腕で左上からややインステップ気味に踏み込み右打者の内を厳しく突く直球が武器だ。スライダー、チェンジアップを操り、チェンジアップは落差があり右打者を崩すことに有効だ。1巡目に右打者の内を厳しく突いて意識付けをして、2巡目にチェンジアップで空振りを奪っていた。宮城県大会は初戦のみの登板に留まっているが、甲子園を勝ち上がれば登板する機会は増えてくる投手に見える。
刀袮は右上から上の角度ある投球を武器にしている。140km/h近い直球と縦に鋭く変化する120km/hくらいのスライダーが武器だ。準決勝では直球の制球が定まらず直球で暴投2つを記録していて、変化球主体で組み立てていた。目線を変えるのに有効な投手なので短い回で間に挟む起用法となるのではないだろうか。更に右腕の尾形も控える。細かい送球の逸れ、バッテリーミス、打球処理時に選手が衝突するなど失策が記録されない細かなミスが宮城県大会では目立った。
複数の選手を入れ替えながら宮城県大会を戦ってきた。6試合で4本塁打、9二塁打の長打力が光るが小技が非常に多彩に組み込まれているのが映像を観た印象だ。盗塁は僅か4個と脚を使わないように見えてしまうが、実情はエンドランやスクイズなど脚を絡めて要所要所で攻撃してくる。脚を絡めて攻撃が成功した場合に堅実に得点しており複数得点となることが多い。打率は宮城県大会では2割7分と振るわず、凄く強力打線というイメージでは無い。宮城県大会では柴田の阿部、東北の川原と右の140km/hを超える速球を常時投げる投手に、ストライク先攻かつ投球間隔短く投げられて苦しんだ。この経験が鳥取城北戦では生きていて、140km/h超えの変則の速球に対応してみせた。ここぞの攻め時に必ず得点している勝負強さは驚異で、連打で複数点を奪っている。
スイングはかなり積極的にスイングしてくるイメージで、高めの球はコースの厳しさに関わらず必ずと言っていいほど手を出してくる。反対にストライクからボールへの変化球には手を出さずにいる。このあたりは全国制覇を狙うチームだと肌でひしひしと感じるポイントだ。強いスイングを意識しているからかセンターではなくやや引っ張る打球が目立っていた。この結果なのか三振の数が多く、空振り三振だけでなく見逃し三振も多い点が気になる。反対に山を張っているのか変化球に待ってましたでセンター方向へ本塁打を放ったり、厳しい直球を完璧に打ち返したりする。
【試合の見所】
開星は今までどおり松浦が先発し、仙田や篠田を使い最終的に持田に繋ぐ継投となるだろう。山陰大会で観た鳥取城北の強力な投手陣で5点なら、正直に言うと失点自体は少なくとも4・5点以上は覚悟しておかないといけないと思う。失点を減らすための鍵として3点を挙げる。1つはストライク先攻すること、2つ目は内も使いながらストライクゾーンで直球も変化球も勝負すること、3つ目は調子の良い1〜3番の左打者(田山、原、土屋)をどう抑えるかだと考えている。
仙台育英はこの試合は継投で戦ってくると予想している。過去に甲子園の決勝戦に進出した大会では初戦の次戦は大会を通して最も投手の起用数が多い傾向にあり、初戦にエースでいって次戦は他の投手を先発に立てている。このことから右腕の梶井か左腕の井須を先発に起用してくると予想している。競った展開となれば最後にエースの吉川に繋ぐ形だろう。試合日程の空いた2回戦であれば須江監督なら島根県大会の映像も含めて全て確認しているので弱点を知って先発に意図を持って起用してくるだろう。立正大淞南や大社戦で右の速球を投げられる投手に外中心の配球をされて引っ張りに入って苦しんだことから、右腕の梶井で外中心に集める形を取ると予想しているが、梶井が右打者の内角に直球が抜けることが怖いため制球重視であれば左腕の井須も充分に考えられる。
実力は仙台育英に部がある。そのため開星は仙台育英の実力が発揮されにくいような展開に持ち込んでいきたい。そのために必須となるのが先制点だ。仙台育英は全ての試合で先制点を取っているので、先制することがいつもと違う展開に持ち込む足がかりとなる。朝早い第1試合のため投手の立ち上がりを死ぬ気で攻め、1〜3回で可能なら2度の得点する回を作り3点差以上のリードを序盤に奪いたい。相手打線も強いので打ち合い覚悟で中盤も攻めて、相手エースの吉川が出た時点で必ずリードしておきたい。このリードを守り切るプランなら勝機がある。開星が勝つなら5〜7点決着の試合に打線の力で持ち込むしかないだろう。競って良い試合となっても名勝負は勝たないといけない。優勝候補に勝って開星旋風を巻き起こせるか。
試合は明日14日の午前8:00~の予定です。良い試合となることを楽しみにしています。