島根県高校野球
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2025/06

26

第107回
選手権島根大会
Fブロックの見所

こんばんは。管理人のジョーです。

 

今日は準々決勝でEブロックの勝者と対戦するFブロックの各校について紹介します。

 

 

 

【Fブロック】

Fブロック組み合わせ

Fブロック組み合わせ

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【見所】

 このブロックは石見地区のチームが多いブロックとなった。そのため、春以来の公式戦というチームが多く仕上がり具合が気になる。石見智翠館が一歩抜けた実力がある。好投手を擁する津和野、平田がどこまで対抗できるかが鍵だろう。

 

 

 

 

 

24.平 田

 

秋:1回戦 春:2回戦 出雲:1回戦

 2年生を中心とした若いチームだ。秋は矢上と接戦に持ち込むも敗れたが、主力の多い1年生大会では県準優勝の校成績を収めた。春は浜田にミスから敗れ、出雲地区大会では初戦の大東戦で9回に逆転され初勝利には至っていない。夏に初勝利を目指す。

 布野、山本、藤井の3投手がいる。夏は布野と山本が鍵となるだろう。布野は春の浜田戦で好投した。右下手から上手く打たせて取り浜田打線を翻弄した。山本は1年生大会、出雲地区大会と好投した。右上から120km/h台後半の直球とキレあるスライダーが武器だ。秋に比べて制球が良くなったが、最終回に四死球を出すなど完投には後一歩スタミナが足りない。藤井は秋の矢上戦や浜田戦にリリーフした。シュートする球質が持ち味だが、スピードやキレが前述の2人に比べると劣るように見え、怖さがない。守備が昨秋1年生大会で観戦した時より動きが悪かったことが春に印象的だった。しかし、出雲地区大会では春に比べると動けていたが最終回にバッテリーミスで同点、直後に適時打でサヨナラ負けと勝負弱さが出ている。石見智翠館にも通用するかもしれない投手がいるだけに守備が投手を盛り立てるか、投手を中心にチーム全体で気持ちで負けないかが鍵になるだろう。

 攻撃面は春以降苦しんでいる。春の浜田戦では前半は右打者が外角を踏み込んで引っ張るスイングで安打を放ったが、後半はスライダーを良いように振らされていた。出雲地区大会でも大東の光田に採算好機は作るものの、最後の一押しする手段に欠いた。初戦に勝つなら守り合いしかないように思う。

 

 

 

 

 

25.石見智翠館

 

秋:16強 春:8強 石見:中止

 昨年代から主力として活躍した選手が残る上、主将も変わらないと今世代の中でも騒がれているレベルで選手は揃っていた。しかし、秋は3回戦で矢上にまさかの無得点で敗戦。春から名将、末光監督が復帰。春は飯南、安来を倒したが準々決勝で開星と対戦。先制こそしたがバッテリーミスから逆転を許すと大差で敗戦し本領を発揮できていない。春見ていても持っている実力からすれば開星と並んで優勝候補筆頭に挙げられるだろう。1年生からレギュラーを託された勝負の世代は夏に結果を残せるか!

 投手陣では2年生の住田と蘭を主軸に3年生の小田と清水の4枚看板が中心となるだろう。秋・春とエースナンバーを背負う小田は右上から130km/h前半の直球と手元で曲がるカットボールが武器で制球良く打たせて取るタイプ。左打者には落ちる球も投げられる。春の開星戦で好リリーフを見せた住田は身長は高く無いが右上から130km/h後半の速球と複数種類のスライダー系の変化球、落ちる変化球を操る本格派の投手だ。スタミナ面は完投経験が無く未知数だが、総合力では最も良い右腕である。蘭は130km/h中盤の速球を投げる。制球も纏まっている上に複数方向の変化球も操るバランスの良い左腕だ。2年生の2人が春は調子が良く、中心になるのでは無いだろうか。

 リリーフとして出てこられると厄介極まりないのが春は右翼手を守っていた清水だ。唯一、身長が高く上から投げ下ろす角度がある上に140km/hに迫る速球がある。制球面では若干の不安はあるものの終盤に球威で押し切られる可能性がある投手が控えていることは対戦相手にとっては嫌だろうが、夏に投手として起用するか首脳陣の判断が問われる。これらの投手は1年生大会では上位打線に座ったり秋のレギュラーだったりするため決して投手と舐めて投げると痛い目を見るだろう。春に投げた金銅は左腕で縦に大きく曲がるカーブが武器だ。使うならワンポイントだろう。また、1年生左腕の橋本は春の時点で既に130km/hを超える球速を計測している今後が楽しみ投手だ。春時点では変化球の際にかなり腕の振りが緩むことが課題であった。今年は投手陣が枚数、質共にいるので登板経験を積ませるのであれば初戦の終盤となるのでは無いだろうか。

 野手は昨夏の悔しさを経験した選手が多数残っている。昨夏から主将を務める荒木が不動の二塁手、1年生ながら遊撃手を務めた吉村を遊撃手とし、一昨年1年生ながら夏のレギュラーを掴んだ藤瀬が三塁手へコンバート。昨夏、三塁手のレギュラーだった近藤悠が一塁手へコンバートとなった。外野手は秋から春で大きく選手が入れ替わっていて夏までの3ヶ月で大きく入れ替わる可能性もある。その中で鍵を握りそうなのが、昨夏の決勝戦で最後の打者となった近藤龍だ。春は打線でも1番に座った。しかし、春は守備で大きな課題を残した。昨夏から不動の遊撃手を務める吉村は試合の流れを左右する場面での失策が目立った。また、三塁手の藤瀬、一塁手の近藤悠、急造の外野手となった清水とコンバートされた選手達の動きにぎこちなさがあった。最大の欠点は捕手で開星戦では捕手2人で4バッテリーミスと精彩を欠いた。捕手に関しては秋・春と岩本が正捕手を務めたが、1年生の田中が春に良い動きをしていたことからどちらが正捕手となるかも楽しみだ。夏に守備を磨き上げてくることには定評がある同校だが、3ヶ月経ち今年はどこまで仕上がるか楽しみに待ちたい。

 攻撃力ではスイングの強さや長打力は島根県トップレベルである。打線の左右のバランスも良い。打者は基本的に強く引っ張るスイングが多かったが、開星戦では6回以降から急にセンター返しに意識の変化を見せるなどして対応力はあるように見える。左打者の清水はコースに逆らわない打撃で開星戦では先制点となる適時打を放っており、1人だけ傾向がまるっきり違った特徴を持った選手だった。しかし、積極果敢なスイング姿勢であったりチームとして徹底している所はされていた。左腕が少ない組み合わせのため、あまり左投手対策が必要ないことは幸運だったといえる。

 

 

 

 

 

26.江津工業

 

秋:2回戦 春:2回戦 石見:中止

 1年生から出場経験豊富な選手達が揃う。秋は出雲農林との連合チームで出場し益田東に敗れた。春は単独チームとして出場し、出雲農林を下して初勝利を得る。続く益田翔陽戦も乱打戦に持ち込むが敗れた。春以降かなり得点力も失点も目立つ特徴的で面白いチームだ。

 エースの前本想と春の出雲農林戦で好救援を見せた角田がいる。また、1年生大会では登板機会のあった冨金原も登板可能だ。エースの前本想は春は制球難に苦しみ四死球が非常に多かった点が失点に結びついた。角田は出雲農林戦では四死球が無く安定感を取るのであれば先発もあり得る。幸いなことに投手交代が守備位置の変更だけで済むので小刻みに交代する戦法をとることも可能である。投手陣を工夫して失点を減らす工夫をしたい。

 攻撃では春は2試合合計で23得点の破壊力が際立った。特に羽柴、冨金原、前本朔の中軸は長打力もある怖い打者が揃う。走者を溜めた状況を作って中軸の3人へ回したい。

 

 

 

 

 

27.邇 摩

 

秋:1回戦 春:16強 石見:中止

 春以降は試合を観ることができていない。秋は初戦で石見智翠館に敗れた。春からは河上監督に代わった。連合チームに勝利したが続く出雲商業に敗れた。

 左腕の稗田と松直を軸に柳原などの投手がいる。エースを務めるのが稗田だ。秋時点では、出力のパワー不足で球速こそ遅いものの低めに集める制球や複数方向の変化球を操る投球術で術中に嵌まれば力を発揮する。出雲商業戦では3盗を複数許したので2塁走者へのケアは欠かしたくない。松直は右腕で脚を大きく上げたフォームと程よく荒れていて打ちにくいのが特徴。球速は速く無いのでカウント有利にして相手を焦らせたい。

 打者では谷本が鍵となる。しかし全体的に強力打線とは言い難く、出雲商業戦では僅か2安打に封じられた。初戦の津和野もかなりの好投手を擁しているので何とか得点するための対策を講じたい。

 

 

 

 

 

28.津和野

 

秋:16強 春:1回戦 石見:中止

 公立校で春夏2度の甲子園出場経験のある植田監督が指揮を執る。秋は初戦で大社を撃破する大金星を挙げたが、3回戦で大田に完封負けを喫した。春は飯南と対戦。小技を生かしたらしさ全開の野球で一時4点リードを奪ったが、2番手投手を打ちあぐねる間に逆転を許した。実力的には光るものもあるので、上手く底上げすれば面白い存在となるだろう。

 投手陣では2年生右腕の前田光がエースとしてマウンドを託される。春に観戦して驚く程、良い投手であった。140km/hを超える速球に加えて、鋭いカットボールが持ち味。投げている球だけなら島根県でもトップレベルの実力があり、是非注目して見て頂きたい投手だ。しかし、春には課題も浮き彫りになった。まず、終盤に失点する傾向がある。飯南が粘り始めた際に直球の制球に苦しんだこと、直球とカットボールと緩急差と球種が少ないことが原因だ。何かもう1つアクセントを加えることができれば更に上のレベルへ飛躍する可能性が高い。2番手は正捕手を務める山根だ。長身を生かして投げるが、身体の割にスピードが出ていない。なるべくならば前田光に重要な試合は完投して欲しい。

 スイング自体は弱くも強くも無く普通である。しかし、低いライナー性の打球を意識しているので安打自体は多いように見えた。打者としては岩原こ、バッテリーの前田光、山根が核となる。植田監督の持ち味である小技を主体に撹乱する攻撃は健在で、どちらかと言うと変則投手と相性が良いように見えた。ただし春段階では送りバントでセフティーの構えで構えが遅れてファールを連発して決まらない展開が目立った。小技主体の野球を磨き上げて小刻みに得点を重ねていきたい。

 

 

 

 

 

明日は第3シード開星のいるGブロックの各校を紹介紹介します。お楽しみにお待ちください。