H O M E
こんばんは。管理人のジョーです。
今日からは8つのブロックに分けて各校を紹介します。
今日は第1シード矢上のいるAブロックついて紹介します。
【Aブロック】

Aブロック組み合わせ
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【見所】
第1シードの矢上のいるAブロックは秋季大会王者の出雲商業、強豪私立の益田東と激戦のブロックとなった。4チーム中3チームが秋か春の8強以上の経験校という具合である。矢上と益田東は余程縁があるのか独自大会含めて直近6年で4度夏に対戦していて益田東の3勝1敗となっている。矢上にとってはまさに天敵といえる相手だが唯一勝ち星は矢上がシード、益田東がノーシードかつ初戦で対戦した時であった。今回は矢上が唯一勝った夏への入り方なだけに注目が集まる。その勝者と3回戦で対戦することになれば出雲商業も秋の島根県王者の意地があり非常に楽しみなカードとなる。
01.矢 上
秋:3位 春:優勝 石見:中止
矢上は絶対的エース不在とみられていたが蓋を開けてみると沢山の投手を巧みに使い分け、秋・春と粘り強く接戦を制してきた。秋季中国大会では選抜まであと一歩の2勝を挙げ県勢最高成績を挙げた。春は例年と違い打力も秋から急成長を遂げ、勢いそのままに同校初の優勝に輝いた。春季中国大会では1勝、山陰大会は優勝と中国地区の強豪校に対しても結果を残した。全18試合中実に12試合で後攻を取っている。後攻の戦績は12戦11勝1敗と圧倒的な勝率を誇っていることが特徴的である。後半に逆転して勝利することも多く粘り強さも特徴的である。世代トップを走り続けるチームが矢上の新たな歴史を切り拓くか注目が集まる。
投手陣は非常に多くの投手を起用して戦ってきたが、今大会では左腕エース和田、左腕の的場を筆頭に鈴木、清水、松直、竹辺の右投手を挟むことになると考えている。現状、和田が一歩投球術で抜きん出ている。和田は「スピードが全てではないこと」を改めて考えさせられる投手である。直球は120km/h台中盤のスピードながら出所の見えにくさと緩く大きく曲がるカーブやスライダーがあるため、余計に速く感じる。高めの直球でフライを打たせる投球が目立ち、鳥取城北戦では実に27アウト中15アウトを飛球で奪っている。また、右打ちする右打者へは外角低めの直球でセカンドゴロに打ち取ることが多い。チェンジアップは秋春と課題であったが、山陰大会で空振りを奪うことができるようになり成長を感じさせた。牽制や守備も上手く、特に1塁走者は苦しむことになるだろう。こういった1つ1つのレベルの高さを楽しんで見て欲しい投手だ。珍しくリリーフした出雲戦ではボークなどで3失点したため恐らく先発として起用されるだろう。
2番手でリリーフすることが予想される的場は和田とは対象的に直球が130km/h台中盤を記録する力勝負のできる左腕である。二段モーション気味の脚の上げ方でタイミングを狂わせる。和田と的場共に左腕のため間で登板する機会が多いのが、鈴木である。2年生ながら右投手の中では最も制球が安定している。縦方向の変化球が武器であるが、春季大会はとても調子が悪かった。しかし、山陰大会で登板した際には復調していたことから上位進出すれば登板機会があるだろう。松直は1年生ながら130km/h超えの直球を投げる。制球に不安があり投げるなら短い回となるだろう。清水と竹辺も大量点差ついた際に投げるだろうが、矢上は組み合わせ上好投手との連戦が予想されるため登板機会は少なくなるのではないだろうか。
守備では、春見た限りシートノックは県内随一で上手いが、春季中国大会の倉敷商業戦では送球ミスを中心にミスが出始めると連続する癖を修正しきれていないように見えた。山陰大会でもバッテリーミスが目立った。
攻撃は秋季中国大会で2本の本塁打を放った高橋や春に当たっていた花田に注目が集まるが、その他にも強打者が揃う。特に打順やスタメンを沢山試した成果として控え選手の層も厚い。2人以外に特に注意したいのが右打者の渡邉である。スイングが強く春季大会の出雲戦、山陰大会の鳥取城北戦と当たっていた。1年生から4番を務めた重富も外野フライを打つのが上手く3塁走者がいる場面で回したくない。
秋時点では右打者の引っかけたサードゴロが目立っていたが、春以降はスイングに柔らかさが生まれ低めの変化球を拾ったり、ゴロで三遊間を抜く場面が目立つ。特に春以降、右投手へのスライダー対策が上手くいっていて目付けの位置が良いため初回から迷いなくスイングしてくる。左打者は反対にコースに逆らわずセンターから反対方向に返す。この打撃が上田、和田と上手いが決して引っ張れない訳でもないのが厄介である。春はエンドランや盗塁と脚を使ってきたが、秋は例年よりも沢山スクイズを使用した戦術が特徴的であった。1つ心配事として右投手との対戦が殆どで左投手と対戦した倉敷商業の小林投手には抑え込まれていることを考えると初戦の益田東が左腕で来た場合の対応は見所。
02.益田東
秋:8強 春:2回戦 石見:中止
好投手の蟹江を擁していて秋は注目される中、準々決勝で出雲商業に昨夏に続き逆転負けを喫した。春も初戦で大田との好カードとなり、先制・追加点を奪いながら守りのミスが相次ぎ被安打2本で逆転負けを喫したが、秋はエースの蟹江に大半を任せたが春は他の投手に経験を積ませることはしてきた。2018年以来の甲子園出場を目指す。
投手陣はエースの蟹江を主軸に枚数は揃えてきた。秋以来公式戦で登板機会の無い蟹江の調子に大きく左右される。インステップ気味に踏み出し、右打者の胸元深くに左腕から130km/h中盤のキレある直球を投げられるのが持ち味。直球昨夏はリリーフ登板で快投を見せたが、秋は1人で連投での完投と経験の無い環境でかなりペース配分しながら投げているように見えた。そのため昨夏と比べても直球が走っていなかった。春は登板機会はなかったもののブルペンで試合前に数球投げた際には前腕を伸ばして並進するフォームに変わっていた。矢上が左投手との対戦経験が少なく、右投手ほど打てている印象も無いため投げられる状況にあるのかどうか、調子はどうかは大きく試合に影響を与えるだろう。
同じ左腕では橋本もいる。球速こそ120km/h前半だが、元々は出所の見えにくいフォームで制球良く投げられることが武器の投手だ。しかし、春は制球をやや乱しテークバックが打者から見えるようになっていたことでタイミングも以前より取りやすくなっていた。比較的若い学年から登板経験豊富なため使い所はあるだろう。右腕は混戦状態で岩本、稲垣が中心となる。岩本は直球に力があり大田戦でも先発として好投していたが制球に不安が残る。直球に弱いチームと対戦した場合は活躍するだろう。稲垣は高さを生かした角度のある球筋は彼の魅力である。球威は130km/h中盤も記録しているが制球が課題である。投手陣の枚数は揃えてきたが、とにかく初戦に勝てるか否かに上位進出できるか否かの大半がかかっているだろう。
秋・春と守備に不安が残る印象だ。秋は一塁手・二塁手・右翼手の間に落ちるポテンヒットがとても多く、春は競った場面での送球エラーなど殆ど安打を許さずに負けている。最低限守備という安定した土台を作らないと粘り強い矢上戦は厳しいだろう。
選手人数が多く、秋と春で大幅にレギュラーメンバーが入れ替わっている。安定して出場しているのは上級生の蟹江、篠畑、川窪、阪田と2年生正捕手の伊藤である。秋は現2年生をスタメンで多く起用していたが、春は一転して3年生を主体と変貌。しかし、大田の生越に9安打を放ちながらも僅か2得点に抑え込まれた。投打で蟹江が注目の選手となる。篠畑も下級生からレギュラー経験者であり俊足巧打の打者である。春の時点では例年よりもスイングが弱く、高めの釣り球でも空振りが目立っていた。作戦ではセフティースクイズやバスターなどの小技を駆使していた。春先以降約3ヶ月ぶりの公式戦でどこまで仕上げてきているか楽しみだ。
03.出雲商業
秋:優勝 春:8強 出雲:4強
今代は秋季大会で島根県を制した。準々決勝の益田東戦の逆転勝ちで勢いに乗った。冬に不祥事もあり春には異動で監督も交代したものの、やはりチームとしての地力は高く春も8強、出雲地区でも4強に堅実に残っている。エースの勝部を中心にチーム一眼で平成元年以来の夏の甲子園出場を目指す!
エースの勝部が1人で投げ続けている。右上から丁寧に変化球を低めに集める投球が持ち味。1人で投げ続ける覚悟が凄まじく、ペース配分も非常に上手い。一冬越えて直球のベース上の力強さが格段に増してきた。しかし、最大の持ち味は気持ちの強さだろう。昨夏の益田東戦での痺れる場面での好リリーフなど印象に残る投球が多い。出雲地区でははっきりしたボールとなることの多かった落ちる球が決まるようになるとより攻略の難しい投手となるだろう。優勝にはこの投手の5連投で大半を投げてくれることが前提となる。
攻撃は優勝した秋から春にスタメンや打順が大きく変わった。秋に活躍した上位打線の多くが控えなどに回ったが優勝を狙うなら金山、今岡の力は必要となろう。打線でも鍵となるのがエースの勝部、捕手の渡部だろう。彼らの前の上位、中軸がいかに走者を溜めて相手投手にとって嫌な状況で鍵となる打者2人に回すことができるかで、好投手を擁する相手に有利に立てるかが決まるだろう。一点気がかりなのは右打者9人と打線の左右のバランスが悪いことである。春から監督となった曽田監督がどのような采配で夏に点を奪いに来るかも注目だ。
04.出雲北陵
秋:2回戦 春:1回戦 出雲:8強
今年の最高学年の代は1年生大会で出雲地区準優勝に輝くなど近年の中では比較的注目される世代であった。しかし、秋は出雲、春は松江南にいずれも完封負けと伸び悩みを見せた。それでも出雲地区では猛追を受けるも1勝を挙げると、準々決勝では三刀屋の2番手、3番手投手を相手に6回で6得点と中々出なかったあと一歩がようやく出るようになってきた弾みをつけて夏へ挑む。
今代は最少失点が6失点と失点をいかに防ぐかが夏に向けての鍵となる。特に初戦の出雲商業には好投手がいることから守れなければ勝つことは難しい。出雲地区大会でも守りのミスが相次ぎ、終盤に四死球や失策絡みで大量点を許していた。せめてディフェンス面が仕上がってこないと好投手相手には部が悪くなる。
投手では山田、土江、福城の3投手が軸となる。福城は秋にエースを務め、右横手から力のある球を投げる。秋は先発するも中盤で脚を攣った。制球とスタミナに不安があるためリリーフでの登板が望ましいのではないだろうか。土江は春の松江南戦に先発した。出雲地区ではリリーフするもストライクが入らず苦労した。貴重な左腕のためストライク先行すれば戦力となるだろう。山田は現状最も試合を作る能力は高いように見える。
攻撃は上手く打ち安打こそ多いものの、あと1本が出ず得点できない試合が続いていた。出雲地区大会ではようやく打線が爆発。初戦の出雲農林戦で8得点を奪うと、三刀屋戦でも6回で6得点と1点入れば得点を立て続けに奪う能力はある。そのため早い回で得点をあげられるかがポイントとなるだろう。
明日はBブロックの各校の紹介をお楽しみにお待ちください。