島根県高校野球
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2025/06

28

第107回
選手権島根大会
Hブロックの見所

こんばんは。管理人のジョーです。

 

最終日の今日は準々決勝でGブロックの勝者と対戦するHブロックついて紹介します。

 

 

 

【Hブロック】

Hブロック組み合わせ

Hブロック組み合わせ

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【見所】

 Hブロックは全チーム秋・春どちらかの8強を経験している激戦のブロックとなった。唯一対戦経験がある出雲と安来は秋の3回戦で接戦の末、安来が勝利した。どこのチームも複数の投手が控えていて、実力も似ている。その時の調子や相手と相性の良い投手を選べるかといった少しのことで勝者が変わるだろう。特に試合の流れを決める先攻・後攻や先制点といった試合の主導権を上手く握るチームが勝ち残るのではないだろうか。

 

 

 

 

 

33.大 東

 

秋:8強 春:1回戦 出雲:4強

 秋は乱打戦を制して8強に進出するが準々決勝で開星に大敗。春からは好投手を育てることが上手い持田師監督に監督が代わる。春は島根中央に大敗を喫したが出雲地区大会では平田、飯南と終盤に逆転勝ちし投手戦でも競り勝てるように成長を見せつつあるチームだ。連勝して良い雰囲気で夏の初戦に挑む。

 投手陣は右腕の光田、左腕の田口が主軸となる。光田は下級生から登板機会を積んだ。秋は中々相手打線を抑えられず苦しんだが、出雲地区大会では平田戦でも粘り強く相手打線を最少失点で抑え完投した。飯南戦ではリリーフ登板で制球に苦しんだ。春以降右スリークウォーターにリリースポイントを下げたことで制球に安定感が増した。制球が定まるかが鍵となる。左腕の田口は直球こそ120km/h前半ながら緩いカーブなどを使って直球を速く体感させてくる投球術が武器。カーブでストライクが取れるかが鍵となる。継投するならリリーフ経験豊富な光田を後ろに回した方が良いと思う。

 田口、藤原一が注目の打者である。秋から一転して春以降は得点力不足に苦しんだが送りバントを駆使して少ない好機をものにした。出雲地区大会で対戦した投手よりも初戦の立正大淞南は速球を投げる投手がいるため、130km/h中盤を打てるような速球対策をして速球に力負けしないことが鍵となる。

 

 

 

 

 

34.立正大淞南

 

秋:2回戦 春:8強 松江:準優勝

 秋は初戦で矢上と対戦。4点差を追いつくもサヨナラで敗れた。春は松江高専、隠岐を撃破し8強に進出。準々決勝で三刀屋の矢田貝を打ち崩すことができず敗れた。松江地区大会では情報科学、松江商業を破り決勝に進出したが、決勝戦では開星に5回で10失点と力の差を見せつけられる形で敗れた。春以降はスタメンや打順を固定せず様々な選手を試していることが特徴だ。逆に捉えるとチームの核が固まりきっていないようにも映る。激戦のブロックを勝ち抜き2023年以来の夏制覇を目指す。

 夏も継投で戦うと予想している。投手陣でエースとなりそうなのが横山だろう。右上から130km/h中盤の速球と鋭いスライダーが持ち味。最終チェックとなった松江地区大会では好投を見せていた。特に情報科学戦の3回で5奪三振の快投だった。球種の少なさから長い回は投げにくいので、長くても6回以降の後半4回だと考えている。春以降に飛躍した藤本鯉も主戦となるだろう。右横手からキレの良い直球を投げる。牽制のターンが速く牽制で走者を刺すことが多い。制球が散らばる日もあるが、珍しく先発となった松江地区大会の松江商業戦で好投を見せた。春以降の活躍を考えると先発で起用されるのではないだろうか。3番手に福井が控える。直球は120km/h台中盤と決して速くは無いが、縦にかなり落差のあるカーブを投げることが武器だ。横山、藤本鯉と異なるタイプで打者の目線を動かすことができるので相手との相性を見て起用されるだろう。赤坂は松江地区大会で頭角を表した左腕だ。インステップして130km/h近いのキレのある球を投げる。制球が乱れる日もあるため調子を見ながら左腕に弱いチームに使いたい。同じ左腕には秋・春とエースナンバーを背負った川口もいる。左横手から投げる。1年生以来登板機会に立ち会えていないが、秋・春と乱調だったことから夏に登板させるのか野手として打撃に専念させるのか考える必要がある。

 野手は誰がレギュラーを掴むのか全く読めない。特に今年代は春以降も毎試合異なるスタメンで松江地区大会では途中で大量の選手交代をしていた。全てのポジションを複数人で争っている状況だ。調子の良いメンバーで夏を戦えることが強みとなるだろう。注目の打者は一塁手の川口、太田、福山らが挙げられる。左打者の川口は昨年代からレギュラーを務め続けている。春も低いライナー性の当たりを右中間へ飛ばしていた。福山は引っ張りが得意な力のある右打者で、春は中軸を打ち続けた。左打者では1年生時に出場をしていた藤本雄も控えている。松江地区大会でも長藤や木目が本塁打を放っていた。自由に打たせることが目立ったが、際どい場面ではセフティースクイズもあり得る。

 

 

 

 

 

35.出雲工業

 

秋:8強 春:16強 出雲:2回戦

 エースの太田を投打の主軸に据えたチームだ。秋は初戦で益田にタイブレークの末に競り勝つと浜田商業に勝利して8強に進出した。準々決勝で大田と対戦したが守備が乱れて敗戦した。春は監督が代わったが、初戦で明誠を5回コールドで下すと、3回戦で優勝した矢上と対戦。ワンチャンスで奪われた3失点に抑えたが敗れた。出雲地区大会では出雲商業と対戦。秋と同じく初回に守備が乱れて大量失点を喫した。終盤に猛追したが追いつけなかった。初戦が勝ち上がったチームを待ち受ける難しい形となった。とにかく太田を守備が盛り立てることができるかが鍵を握る。

 絶対的エースの太田が大半を投げる。右横手からインステップして力のある直球を投げる。130km/h前後の直球ながら力勝負もできる気持ちの強さが武器だ。打たせて取る投手のため味方守備に左右される所が見られる。出雲地区大会では守備のミスがかなり多かったので夏は守備に磨きをかけたい。出雲地区大会では2番手投手として内田がマウンドへ登った。120km/h中盤の直球に複数方向の変化球を操る投手で、太田をベンチに下げずに対応できることも良い点だ。夏の暑さを考えても2人目の投手に目途が立ったことは大きな収穫であった。

 太田、玉串のバッテリーを中軸に据える。打力が強いチームではなく粘り強くチーム一丸となって戦うことが強みだ。送りバントも用いてチャンスで太田に回すことが出雲地区大会ではできていた。後はキーマンが打つかどうかだ。

 

 

 

 

 

36.出 雲

 

秋:16強 春:8強 出雲:1回戦

 秋は3回戦で安来に競り負けた。春は打線がやや湿っていたが、初戦で松江工業に逆転勝ちすると、益田翔陽を破り8強へ進出した。準々決勝では矢上と対戦。立ち上がりに失点したが粘り強く追撃した。出雲地区大会では初戦で大社と対戦。完全に主導権を握られて敗れた。初戦の安来戦で秋のリベンジを誓う!

 エースの鞁嶋と荒瀬の両右腕が主戦となる。エースの鞁嶋は1年生時から夏の大会で登板しており経験が豊富だ。右横手から120km/h後半の直球とスライダーが軸となる。直球に力がつき力押しもできるようになったのだが型に嵌った投球が目立つ。力勝負なども挟んで投球の幅を広げることが鍵になる。春は連投となった準々決勝で立ち上がりに調子が上がらず制球にもかなり苦しんでいた。暑さや連投に足るスタミナをつける必要がある。荒瀬は右上から130km/hを超える速球を投げ安定感がある。秋以来観ることができていないが、秋の投球が非常に印象的だった。鞁嶋の後ろも充分に任せられる実力があるのだが頑なに先発しかさせておらず、途中で鞁嶋に継投している。リリーフ経験も積ませたかったが、それをしなかった。川上翔も左腕をぶつけたい時に戦力となるだろうが基本は鞁嶋と荒瀬になるのではないだろうか。

 左打者では荒瀬と杉原、右打者では小村が核となる。打線のスイングは強く秋は左右への打ち分けが特徴的であったが、春は左右の打者ともに引っ張りにかかっていた。小村は調子を落としていて内野フライが多かった。荒瀬は投手として控えている関係からスタメンでないこともあった。それでも松江工業戦では代打で同点タイムリーを放つなど活躍を見せ改めて怖い打者だと印象付けた。杉原は1番打者として出塁させると後ろの小村や荒瀬にチャンスで回るため鍵となる。矢上の和田から2得点と打力があった。春の初戦ではスクイズを見せるなどしたが、以降は打って得点していた。

 

 

 

 

 

37.安 来

 

秋:8強 春:16強 松江:2回戦

 昨年代から多くの選手が出場経験を積み期待された代だ。秋は初戦で松江商業を下し、3回戦で出雲に逆転勝ちをしたが、準々決勝で矢上に西の本塁打で先制したものの逆転負けを喫した。春は初戦で松江商業を秋に続き下し、3回戦で石見智翠館に敗れた。松江地区大会では初戦で開星と対戦し序盤の猛攻に屈した。総合力は公立校の中ではかなり高いものがある。2014年の4強超えを目指す!

 平井、伊藤涼の両右腕を主戦に岩田らが控えるが全体的に投手陣が野手と比べると弱点となっている。春以降エースナンバーを背負う平井は多彩な変化球を低めに集められる投手だ。球速こそ速く無いが打たせて取る投手だ。先発は好投するが、リリーフでは失点が目立つため先発での起用が基本となると予想している。出雲が春同様に強く振ってくるならば右打者の肩口から入る変化球は注意したい。伊藤涼も低めに変化球を集める投手だが、テークバックが小さく縦の変化球が武器だ。岩田はシュートする直球が持ち味。力の強い直球で勝負できる。松江地区大会では他の投手も登板したが、この3投手で組み立ててくるのではないだろうか。

 俊足豪打の増田を先陣に小藤、西、細田康と力のある打者が並ぶ。上位打線の破壊力は大社や浜田といった甲子園出場経験のある公立校と比べても遜色無いか勝っているぐらいだ。注目の左打者の増田は一冬越えて力がついて長打も増えてきた。脚でも俊足で次の塁を奪う。小藤、西は右打者で力があり、細田康は左打者で春以降は打点が多くポイントゲッターとなっている。反面下位打線は打力が落ちるため、何とか粘り強く出塁して上位打線にチャンスで回せるかが鍵となる。また、秋には残塁が多く後一本が出ないことがあった。何とかして打つ以外の得点方法を磨くことが、このブロックを勝ち抜く上で重要になる。

 

 

 

 

 

9日間に渡って各校の紹介をご覧いただきありがとうございました!私自身も今年代は現地観戦・映像観戦含めここまで公式戦70試合以上と過去最多の試合をここまで観戦することができました。そこで感じたことを皆さんにお伝え出来ていたら幸いです。

 

 

 

そして今年も特別展「夏-2024-」を開催します!今年は準備が遅れているため8月2日から開催する予定です。また、詳しい情報は決まり次第報告しますね。

 

 

 

では、今年も悔いのない夏になるように祈っています!